駆込み女と駆出し男 (2015)

　　俳優の大泉洋が、原田眞人監督が初めて手がける時代劇映画「駆込み女と駆出し男」に主演し、駆出しの医者で戯作者見習いの主人公・中村信次郎に扮していることが明らかになった。原作は、故井上ひさし氏の時代小説「東慶寺花だより」。原田監督が初タッグとなる大泉を主演に据えて描く人情ドラマに、戸田恵梨香と満島ひかりがダブルヒロインとして華を添えることも発表された。
　　同作は、幕府公認の縁切寺として知られる尼寺の東慶寺が舞台。離縁を求める女たちの...展开身柄を預かる御用宿・柏屋に居候することになった信次郎は、主人の源兵衛とともに離婚調停人よろしく奇抜なアイデアと戦術で男女のもつれた糸を解き放ち、訳あり女たちの人生の新たな出発を手助けしていくが、さまざまなトラブルに巻き込まれていく。戸田は鉄練りの達人・じょご、満島は日本橋唐物問屋主人の愛人・お吟に扮した。
　　大泉は、5月に公開されスマッシュヒットを飾った「青天の霹靂」をはじめ、今後も「ぶどうのなみだ」（10月11日公開）、「トワイライト　ささらさや」（11月8日公開）、「アイアムアヒーロー」（15年公開予定）と主演作が続くなど、引っ張りだこの状態が続いている。今作は2月22日～4月15日に撮影されたが、「憧れの原田監督のもとで巨匠・井上ひさしさんの作品に、戸田さんや満島さんはじめ、そうそうたる個性豊かな俳優陣に囲まれながら出演することができ、大変光栄に思っております」と振り返る。
　　映画については、「江戸時代のさまざまな女性の『駆込み』という事件を通して、その時代に生きる人々を時にせつなく、時にコミカルに描いた娯楽作品です」とアピール。さらに、「おそらく皆さんが見たことがないくらいスピーディーでエネルギッシュな時代劇だと思います」と自信のほどをうかがわせている。
　　メガホンをとった原田監督は、「映画では次から次へと名演のバトルロイヤルが展開します。だれもが生き残る爽快なバトル。とにかく、やっとめぐってきた初時代劇の現場は爽快愉快でした。世界と真っ向勝負できる1本が生まれたと確信しています」と胸を張る。
　　また、キャストについても絶賛のコメントを寄せている。「初めて組んだ若い世代の俳優たちも素晴らしかった。大泉洋の信次郎は井上ひさし世界の戯作者を見事に演じ切って唯一無二です。『素晴らしい』とか『素敵』といった言葉の使い始めを描く時代劇になったのは、大泉話術の魔力です」と“座長”を称賛。さらに、「満島ひかりは現代口語芝居の天才ですが、江戸好みのあだっぽさに挑み、存分に化けてくれました。戸田恵梨香は、時代劇では画期的な『学習能力の高い労働者階級の女じょご』を演じ、感情の宝物殿といった絶品の眼技で見るものの心を奪います」とヒロイン2人についても全幅の信頼を寄せている様子だ。
　　「駆込み女と駆出し男」は、2015年5月に全国で公開。