皮ジャン反抗族 (1978)

　　長谷部安春監督が描く青春アクション。ディスコで女グループの喧嘩を仲裁したことから、女王然としたメグに気に入られた新治。彼はスーパーマーケットに勤めるマヨに好意を寄せるが、メグの熱は冷めず困難な状況に追い込まれる。
　　目的もなく大都会に群がる若者たちのやり場のない怒りと憎しみ、欲望を、70年代という時代背景の中に描き出した意欲作。本作が本格主演作品となる舘ひろしが、黒い皮ジャンの似合う肉体に優しさと荒々しさを宿した若者・新治に扮し...展开て、ワイルドかつピュアな魅力を披露。彼の当時のトレードマークでもあった、バイクを駆る姿も存分に魅せている。
　　自動車修理工場で真面目に働く新治は、週末にディスコ“アポロン”へ繰り出しては日頃の憂さを晴らしていた。ある土曜の夜、“アポロン”で女王然とする女・メグの一派とスケバン・グループが対立。仲裁に入った新治は、スケバンたちの応援に駆けつけたヤクザを一蹴し、メグに惚れられる。欲望の赴くままに求め合う、新治とメグ。だが新治には、好意を寄せる人がいた。スーパーマーケットで働く可憐な少女・マヨだ。そんな中、新治が道にうずくまっているマヨを助けたことから、二人は急接近する。新治の優しさに、次第に心を開いていくマヨ。だが、二人の幸せな日々は長くは続かなかった――。暴力、セックス、スピード――そして純愛。主人公・新治を演じる舘ひろしを中心に、夏樹陽子、森下愛子、片桐竜次ら魅力のキャストが、大人たちへの反抗心をくすぶらせ、サタデーナイトに欲求不満を爆発させる危険でエネルギッシュな若者たちを好演。俊英・長谷部安春監督が、都会の狂騒に渦巻く若者群像を、スピーディかつ残酷な映像美学で綴っている。